モモの不安

耳に野鳥のさえずりが優しい。
目には鮮やかな緑が飛び込んでくる。
北海道は一番いい季節に入った。
シラカバや針葉樹に囲まれた中で深呼吸すると心洗われる。
森の散歩道をモモも気持ちよさそうに歩く。
甘やかしているからモモは先頭を行くことが多い。

群れのリーダーのつもりだろうか。
でも、群れを離れてどんどん先に行くことはない。
ちょっと距離があくと心配そうにこちらを振り返る。

数メートル離れると立ち止まってしまうようだ。
リーダーとして群れのほかのメンバーを気遣うのか、それとも臆病だからモモだけではそれより先に進めないのか。

こちらが立ち止まっていたら、すごすごときょうは戻ってきた。
モモの顔をみるとあまりリーダーらしくない。

モモのつぶやき

一緒に歩くときは同じペースを守ってほしいもんだ。