モモは美食家

夏の味覚がやってきた。
近所から礼文産のウニをいただいた。
実家が漁師なのだそうだ。

なんと殻つきである。
モモはしっかり匂いをかいでいたが、トゲトゲがあっては歯が立たない。
くわえるわけにもいかず、ひたすら匂いをかいでいるだけだった。

殻を割ると磯の香りがあふれ、だいだい色の身がぷっくり現れた。
海の幸とはよくいったもので見ているだけでも幸せになってくる。
父ちゃんと母ちゃんはありがたく一個ずついただいた。
こういうものは調味料も何もいらない。
あつあつご飯にウニをのせると、ぷるるんぷるるんと身震いする。つやつやのご飯の輝きと鮮やかなウニのオレンジが見事なコントラストを描き出す。一口食べて海に感謝、ふた口目で口いっぱいに独特の甘みが広がり、しばしモモの存在を忘れてしまった。

実はきょう母ちゃんは、ブルーベリー狩りに行ってきた。
毎年通っている農家で摘んできた。
それがこれである。
こちらもなかなか渋くていい色だ。
イギリスの田園風景をほうふつとさせる。
ウニは毒になるかもしれないのでモモに与えなかったが、こちらは一粒モモの前に置いた。

モモは大喜びでくわえたが、おもちゃにするばかりで決して食べようとしない。
あしたのヨーグルトにまぜてやるか。

モモのつぶやき

ヒトは変なものを食べるもんだ。