忠犬・モモ公

札幌も本格的な雪のシーズンを迎えた。
そんなわけで、父ちゃんは朝晩、駅までの道を車で送り迎えしてもらっている。
車を使うときにはこれまで、モモはサークルに入っていたが、最近は一緒にドライブする。
仕事帰りに駅のロータリーに止めた車の中で待っているモモは、改札から出てきた父ちゃんを見つけると、しっぽをちぎれんばかりに振り、「父ちゃんだ。父ちゃんだ」と飛び回る。

忠犬ハチ公もこんな風だったのだろう。
これほど率直な喜びの表し方は、ほかの動物にはないのではないか。
加えて、かなり遠くからでも識別しているのに驚くが、ひょっとすると匂いでかぎ分けているのかもしれない。犬の視力はあまりよくないと、以前、本で読んだことがある。
ただし、父ちゃんが車に乗ると、急に興奮から覚め、知らん振りをしたりする。
ハチ公のころから時は流れ、犬もドライになったものだ。

モモのつぶやき

きょうの朝、別れ際に、父ちゃんはモモに気をとられて雪で滑って転んだんだよ。