飢えたモモの北極探険記

氷点下10度以下という冷え込みの中、モモは重い脚を引きずりながら大雪原を行く。

ベースキャンプを出て、もう何日、いや何週間がすぎたことだろう。たびたびブリザードに見舞われ、方向感覚もおかしくなった。どこを歩いているのかも分からない。クレバスに落ちかけ、食料を入れたリュックも失った。
もう3日3晩何も胃袋に入れていない。

うん、匂いがするぞ。確かこの辺りに、帰路のために食料を埋めておいたはずだ。

掘っても掘っても雪ばかり。だが、かすかににおいがする。
おお何かありそうだ。

もう少し掘れば・・・・

でも、何も見つからない。体温がどんどん奪われ意識が遠のくモモ。
<寝たらだめだ。寝たらだめだ>
と、次の瞬間、はっとわれに返る。

おお、ここはわが家の庭ではないか。
すると、いままでのは幻覚?

モモのつぶやき

確か、雪の下には熟れたまま干からびたミニトマトがあるはずなんだけどね。