友だち思いのモモ

モモには、ラズちゃんと呼ぶ縫いぐるみの友だちがいる。
一人でさびしくないようにとブリーダーさんが、モモを引き取るときに持たせてくれた。
おとなしいラズちゃんはサークル内のベッドにいることが多く、モモが寝るときはいつも一緒だ。
遊び相手にもなってくれる。モモの食事が終わると、たいがいモモに首根っこをくわえられて、びゅんびゅん振り回される。
モモの実のお母さんの匂いつきで、避妊手術で入院したときも、ラズちゃんだけは一晩、一睡もせずに寄り添ってくれた。
そんなラズちゃんの姿を見て、モモははたと気づいたらしい。
<どうしてラズは毛が伸びないの?>
<モモと同じように育ちたくても無理なんだよ。縫いぐるみだからね。いつまでも小さいまんま>
<でも、それじゃさびしいな。そうだ、モモが願いをかなえてあげる>
それで、こんなことになった。

材料はここから失敬したらしい。

友だち思いのモモだから、必死に考えたに違いない。

モモのつぶやき

ラズ、こんどのトリミングは一緒に行こうね。