モモ、雪山遭難
穏やかな陽気に誘われて山に入った。
パーティーの最後尾はモモだった。
ところが、深い残雪のなかで道に迷ってはぐれてしまう。
<いったい、みんなはどこに行ってしまったんだ>
<匂いも残っていない>
どこまでいっても同じ風景にしか見えない。
懸命に叫んでも、山びこが返ってくるばかり。
<困った>
甘く見て軽装で入山してしまった。
食料、水もない。
谷に下りてみると川に行き着いた。
だが、凍っていて簡単には飲めない。
仕方なく疎林に戻った。
と、人の声がかすかに聞こえるではないか。
<あ!>
<待ってくれ。モモはここだよ>
深い谷もひとっ飛び。
モモのつぶやき
山の中はまだ冬だったよ。