モモと謎のストーンサークル

ストーンサークルというとイギリスのそれが有名だが、モモの散歩コースにも小規模なものがある。

何のためにだれがつくったのか、まだよく分からない。
北海道のものは縄文時代につくられたようだ。
祭礼や遺体の埋葬などとつながりがあるらしい。
そのせいか、この中に入ると不思議な気配が感じられる。
どこかに誘う風の音にも似た声が耳元で聞こえる。

モモも全身で感じたようで恐れをなすように近くの森の入り口へと走っていった。
日が翳り、肩越しに何かにおびえている様子が分かる。
そして吸い込まれるように森の中へと消えていった。

父ちゃんが追いかけていくと、中でときどきこちらを振り向きながら、さらに奥深く入って行き、見失ってしまった。
「モモー」「モモー」。何度繰り返したことだろう。

我に返ったようにモモが飛び出してきた。

つかの間、どこをさまよっていたのだろう。
ストーンサークルのこの力は何なのだろう。

モモのつぶやき

帰ってこれてよかった。