モモの1年と1日目

1年たったからといって、モモの日々が劇的に変わるわけはない。
政権交代とは違うのである。
しかし、一方できのうのモモときょうのモモは、どこかが、何かが違うはずである。
でなければ、成長はない。
成長は毎日の変化の積み重ねでしかない。
そして悲しい言い方をすれば、毎日の変化、つまり成長は老いるということだ。
そして老いの先には死が待っているのだ。
生き物である以上、この定めをまぬがれることはあり得ない。
こうした事実に目をつぶってはいけないのだよ。

分かるか、モモ。目を見開くんだ。
イヌの1年は人間の4年にあたるという説がある。
イヌの1日は人間の5日にあたるという人もいる。
5日分の変化といえば、けっこうなものだ。
人間の場合、5日たてば爪だって伸びる。
新型インフルエンザに感染しても5日後には治っていたりする。
イヌの1日はそういう1日のはずだ。
なのに、父ちゃんは1日モモを見続けていても、モモのどこが、どう変わったか分からない。
こういう飼い主に飼われた不幸をモモは背負っているのかもしれない。

モモのつぶやき

そうです。不幸な星の下に生まれてしまいました。