探偵犬、モモ

一夜明けたら道路が真っ白になっていた。
冷え込みも厳しい。
いよいよ冬だ。
雪の上を歩いたら、モモはやたらと匂いをかいでいた。
靴跡がにおうのだろうか。

寒いのにわざわざ這いつくばるようにして歩いていた。
雪に覆われたために匂いを発するものが少なくなり、一部の匂いに鋭敏に反応しているのかもしれない。

匂いをかぐというのは犬にとっては快感だときいたことがある。
こんなふうにモモのすき放題にしていてはよくないのかもしれない。

<あれ、ここでおわりかな?>
そのうちに足跡もとぎれた。
なぜ、道の途中で消えてしまっているのか。
人がこつ然と消えてしまった?
不思議だ。
モモは盛んに首をひねっていた。

しまいには自分の足跡の匂いをかいでいた。

モモのつぶやき

冬の散歩に備えて足裏を鍛えなくちゃ。