野生児最後の日

散歩道は北海道らしい自然がたっぷり残っている。
モモは3回目のワクチンを終えたころから朝夕の散歩を欠かさない。
小さな公園でエゾリスに出会ったこともあるし、遊歩道で野ネズミの死骸を見つけたこともある。
最初は外に出るのをいやがっていたが、どうやら自然の魅力を知り始めたようだ。最近では喜んで散歩にいく。散歩という言葉も覚えたらしく、「お散歩」と言うだけで途端にしっぽを振って玄関に向かう。単純なやつだ。
きょうも朝40分ほど自宅周辺を歩いた。秋の気配が濃い。ナナカマドが色づき始め落ち葉がかさこそ音を立てる。空気も透明感を増し恵庭岳の稜線がくっきり見えた。モモも気持ちが良いのかリードを強く引く。
そういえば、モモはきょうで野生とおさらばすることになりそうだ。
伸び放題にしてきた毛を明日ばっさりやってもらうことにしたのだ。
目だって隠れ気味だし、足裏にまで毛がはえてきて、フローリングは
つるつる滑るようになっていた。

よく見れば顔中毛だらけでむさくるしいほどだ。これにはさみを入れたらどんなことになるか。きっと、さっぱりするぞ。

モモのつぶやき

きょうは散歩の途中、手と口で穴を掘ってみた。毛がいっぱいだと顔が直接汚れなくて便利だ。それにしてもつるんとした卵のようなヒトの顔の不気味さといったらありゃしない。