犬の本ならアリステア・マクラウド!

新聞を読んでいて得した気分になることがある。
きょう16日、読売新聞の本欄「本のソムリエ」で、犬が主人公の本を取り上げていた。回答者の野崎歓さんがまっさきに名前を出したのが、アリステア・マクラウドの「冬の犬」だ
あまりの偶然にこりゃまずいと思った。実はこの本を父ちゃんは読んでいない。気になりながらいつか忘れてしまっていた。それを思い出させてくれた新聞は偉い。
なぜマクラウドかというと、最近の森歩きと関係がある。本格的な雪が来る前の森の中を、落ち葉を踏みしめながらさまよっていると、ある小説の一説がおぼろげながらたびたぶ浮かんでは消えたりしていた。あやふやなので、無性に再読したいと思っていた。それが同じマクラウドが書いた「灰色の輝ける贈り物」だ。カナダ東端の厳しい風土のなかで暮らす人々の生と死、自然の営みが硬質な文体で描かれている。中でも、ぶっきらぼうと思えるほどのタッチでさらりと切り取って見せた晩秋の風情は秀逸だった。確か、解説でもわざわざ取り上げていたはずだ。
クラウドはさびれた炭鉱町も舞台にしており、北海道とダブル部分が多い。しかも人を描く視線は狂おしいほど温かい。
うーん。彼が書いた犬の話なら読まないわけにはいかない。こうして読みたい本がまた増えていく。

モモのつぶやき

きょうはまた歯が抜けた。