モモ、サンタを食う

12月といえばクリスマスである。世界経済が危機的であろうが、父ちゃんの給料が減ろうが、母ちゃんの体重が増えようが、クリスマスはちゃんとやってくる。ありがたいことだ。
わが家はクリスチャンではないが、モモは洋犬なので祖先をずっとさかのぼれば、ドイツかフランス辺りの敬虔なキリスト教徒に飼われていた時期がきっとあるに違いない。
そんなわけで、モモにサンタのおもちゃを買ってきた。

がぶりとやるとぴいぴい音がでる。
ヒルをはじめこの種のおもちゃがモモは大好きだ。
かんだあとに音がするのがたまらないらしい。獲物を捕らえて、最後に息の根を止める。その瞬間の断末魔の叫びがモモの遺伝子に快感の文字とともに深く刻まれているらしい。残酷なようだが、狩猟本能はそうやって維持され、いまのモモがあるわけだ。
ちなみにモモは狭いわが家を走り回ってときどき机やテーブルにぶつかるが、痛そうなそぶりは全く見せない。弱みを敵に知られたら襲われるからだろう。
そんな弱肉強食の世界とは無縁のサンタは、平和主義者なのでモモのなすがままだった。さんざんがぶりとやられて、もう靴はもげそうだ。このままではクリスマスまで健在でいられそうもない。

モモのつぶやき

プレゼントが楽しみ。