七夕の夜、モモは二つの月を見た

いつもと違う七夕だった。
七夕と満月が重なったのである。
こんなことはめったにないらしい。
あらゆる願いがかなうという説もある。

そうとなればじっとしていられない。
満月の下、モモを外に連れ出した。
そんな状況を知ってか知らずか、モモはいろんなことをお願いした(はずだ)。
ところが、飼い主はモモが何を願ったかはまったくもって分からない。
モモの心、親知らずである。

いい加減な父ちゃんと母ちゃんはモモに満月を見せたら、オオカミのようにほえるだろうと期待したが、じっと何か念じているふうであった。
おばけのように見えるのはモモである。

同じくぼんやり見えるのがモモである。
じっと満月をモモはみていたが、何を思っているのか、結局分からなかった。
ただし、よく見てもらいたい。
月が2つ出ているではないか。
しかも、もうひとつの月は緑色だ。
2つの月といえば「1Q84」(村上春樹著)の世界である。
父ちゃんは、めまいがして倒れそうだった。

しかたがないから、現実世界に戻るために短冊に親の願いを記した。
下の方に笹の葉が写っているのが分かるだろうか。

これがそれである。
親の願いとしてはまことに月並みではあるが、われながら、モモは幸せ者ではないかと思う。

七夕ついでにそうめんを食べた。
7月7日は「乾麺の日」でもある。
延喜式」によると七夕に「そうめん」を食べる風習があった。それにちなんで全国乾麺協同組合連合会が1982年に制定したそうだ。
言い伝えによると、七夕にそうめんを食べると完璧に願いがかなうそうだ。

モモのつぶやき

何をお祈りしたかはヒ・ミ・ツ。